講座一覧タイトル


藤田六郎兵衛学長写真  皆さんの知っている「音楽」は何ですか。
 私は2001年に第一回世界無形遺産に認められた日本の「能楽(のうがく)」の家に生まれました。謡(うたい)・笛・小鼓・大鼓・太鼓の音を、多分お母さんのお腹のなかにいるときから聞いていたのだと思います。四才から稽古を受けて五才で舞台に初めて出て五十年間、笛を吹いてきました。でも学校では皆さんと同じ教科書を使った音楽の授業を受けてきました。そしてひょんなことから音楽高校、音楽大学で声楽を学びました。私の体には西の音、東の音、両方の音が流れています。
 世界には様々な文化があり、音楽があります。その国の何千年、何百年という時の間に人々がより楽しめるように皆で工夫をして、いまに伝わっています。
 日本の「音」は何なのでしょうか。能や歌舞伎等の伝統音楽と言われるものはもちろんですが、皆さんの町や村に伝わっているお祭りの音楽も立派な「日本の音」なのです。
 目は見えているものだけしか見えません。耳は素晴らしい能力をもっています。目をつむって「音」に集中してください。大好きな音楽を初めて聞いて、いいなぁーと思ったときの思い出。お父さんお母さんと聞いたのなら、その時の思い出。もう忘れてしまっていた景色を思い出します。そして目では見えないものがいっぱい見えてきます。
 いっぱい出会ってください。世界中にある「音」に。いま耳に届かない音も三十才、五十才になったら皆さんの耳にきっと届きます。その「音」は豊かな思い出といっしょになって素晴らしい贈り物を皆さんにプレゼントしてくれるでしょう。
Profile  1953年名古屋市生まれ。能楽笛方藤田流十一世宗家。
重要無形文化財総合指定保持者。
「藤田・龍吟の会」、「萬歳楽座」主宰。日本ユネスコ国内委員。国際文化交流・協力推進委員。名古屋音楽大学客員教授。

4歳から笛の稽古を始める。満5歳で「中之舞」にて初舞台。
名古屋音楽短期大学(現・名古屋音楽大学)声楽科を首席で卒業。
1980年藤田流十一世宗家となり1982年家名「六郎兵衛」を襲名。
1985年名古屋市芸術奨励賞受賞。1992年名古屋芸術祭賞受賞。
ポーランド(ブロズワフ)日本庭園オープニングの構成・演出・演奏。
ユネスコ世界無形遺産宣言「能楽」を受けてパリ・ユネスコ本部にて記念公演参加。モナコでの万博日本開催(愛・地球博)決定会議プレゼンテーションにて独奏。


 

 
Copyright © 2010, あいち子ども芸術大学実行委員会
掲載されているイメージ及び記事に関しては無断掲載を禁じます。